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鉄血のオルフェンズ イオク・クジャンが死亡フラグを回避する5つの理由

ガンダムシリーズの中でも指折りのおバカキャラとして悪名を轟かせることになってしまったイオク・クジャン。以前の記事ではガンダム00のコーラサワーとは違ってこいつは当然死ぬだろうと考えて言及さえしていなかったのですが、よくよく考えるとイオクというキャラは最後まで生存が濃厚なのではないかと考えるようになりました。

ということでイオクが生き残る5つの理由を解説したいと思います。
 
以前の記事↓↓

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シノが死んで取り乱した記事↓↓

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イオク・クジャンが死なない5つの理由

マクギリスとの対比としてのイオク

鉄血のオルフェンズではしばしば人物間での対比構造を見ることができます。例えば従うべきリーダーを持つ三日月に対するハッシュ、恵まれない子供としてのアトラに対するクーデリアなどです。そういった対比構造という観点でイオクを見た時、その相手として挙げられるのはマクギリスです。マクギリスはセブンスターの一角としてのし上がれるほどの有能さを持っているにもかかわらず、力にすがって友を捨てて本当の意味で理解しあえる人間を持たないことに対し、イオクは戦闘、政治、謀略といった点で無能と描かれているにもかかわらず、損得勘定ではなく心から思ってくれる部下を持っています。対比関係にあるのは第44話でラスタルがイオクに対して歴史がイオクを支え、マクギリスは伝統を打ち払うべきだったと発言したことからも明らかだと思います。
マクギリスが鉄血の話の中で主要人物であることは間違いなく、両者を比較した場合マクギリスの方が死んでしまう可能性は高いです。もしマクギリスが死んでしまうとすると、イオクが生きていた方が対比構造を鮮明に活かすことができるのではないでしょうか。
 
 

異常なまでに集められたイオクへのヘイト

モビルアーマー戦までは愛すべきところもある無能なイオク様でしたが、視聴者に嫌われてしまう決定的な要因が、ジャスレイと組んで名瀬のアニキやアミダを葬り、ラフタの死にまで繋げてしまったことでしょう。ここまでくるとこいつさえいなければと視聴者が思うのは必至であり、功を焦って状況をかき乱した存在に対して好意を感じさせることは難しくなるのは当然だと思います。しかしここまでヘイトを集めるキャラクターにしたということはそれなりの理由があると考えられ、むしろこのヘイトがイオクの生存フラグであると捉えることもできるでしょう。つまり視聴者が嫌うキャラクターをあえて生存させることで斜め上の展開に持って行く、視聴者の予想を裏切ろうとしているのではないでしょうか。
 
 

物語を動かすキーパーソンとしてのイオク

鉄血のオルフェンズの二期から登場したイオクですが、そんな短い期間の中で彼がきっかけとなって起こった事件は多いです。恵まれない子供たちの成り上がりの話としては一期で十分であり、物語のドラマチックな展開を起こすには鉄華団では不十分でした。そこで白羽の矢がたったのがイオクであり、実際モビルアーマー戦や名瀬のアニキの死は彼の存在なしには起こりえませんでした。イオクを無能に描くことで他のキャラクターの地位を下げることなく物語を展開していく、ということがいいか悪いかは置いておいて、とにかく鉄血のオルフェンズはイオクの存在なしには進みませんでした。
そんな鉄血のオルフェンズを導いてきたイオク様が死ぬ?まさかー!(棒)彼には最後まで、いや物語が終結したその先まで鉄血の世界を興味深いものにするという役割が残されているはずです。
 
 
 

脚本に導かれるようなイオクの作者補正

イオクは周囲の人間を死に追いやることで自分は生存するという特殊能力を持っています。別の言葉では作者補正というものです。モビルアーマー戦ではモビルアーマーの復活時(部下が犠牲)や仇討ちの狙撃(農業プラントの人間が犠牲)でも彼の生存力はいかんなく発揮され、名瀬の死亡時の特攻さえも回避して見せました。本人にその自覚はないようですが彼は文字通り神に愛されたキャラクターであり、その強力な作者補正は見ている人に違和感を感じさせるほどです。第45話ではシノの射撃がジュリエッタの攻撃によって失敗したように見えますが、実はあれもイオクがラスタルをかばうように前に出たことでイオクの特殊能力が働き、ダインスレイブが逸れたとともにシノの死をもたらすことになったのです。
しかしこのような補正を持っているキャラは他のアニメでも決して珍しくありません。そう、主人公ならね。一部ではガエリオが真の主役だと言われているようですが、こんな主人公補正を持っているイオクが主人公じゃないわけがないですよね。つまり鉄血のオルフェンズは三日月やオルガといった鉄華団が主人公だと誤認させ、さらにはガエリオが裏の主人公だと見せかけた上で、本当の主人公はイオクであるという視聴者を裏切る多重構造になっていたのです。(ナンダッテ-
 
 

死ぬべき時を逃したイオク

そうして順調に視聴者のヘイトをため、作者補正に守られることで現在まで生存しているイオクですが、死なない可能性がないわけはありません。最後の最後で無様に散ることもありえます。というよりは死ぬべき時のために生かされていると言った方がいいかもしれません。しかし決して感情移入するキャラクターではないイオクの死にどういった意味があるのか、視聴者目線で語ればカタルシスを感じさせるべきだと思います。しかし作品としてイオクが死ぬことで得られるカタルシスが効果的に得られるタイミングはとっくに過ぎてしまったように思います。仲間が多く死ぬことが予想されるこれからの話の中でイオクの死に一体どれだけの人が思いを馳せるのか、強烈な印象を受けるのか。あえてフラストレーションの溜まる描き方をして世界の理不尽さやフィクションの中の現実感を出すつもりなのかは不明ですが、イオクを死なせるにはもう遅すぎるような気がしています。むしろここまでヘイトが溜まったキャラは逆に生存して最終回を迎える方がありえそうじゃないですかね。