思索器官

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フェアユースとは何なのか

ブログ運営をする上で自分が変わったことの一つに、著作権の正しい利用方に対する意識が挙げられます。webの世界でも、いわゆるまとめサイトで著作権侵害が問題になっていたり、一方で音楽業界ではJASRACの不透明で不誠実に感じられる著作権料の権利者への流れや徴収方法が話題になりました。

そういった著作権を取り巻く問題の中でよくフェアユースという言葉が挙げられます。しかしこのフェアユースって実のところ一体どういうものなのか、調べてみたので記事としてまとめてみたいと思います。

 

 

そもそもフェアユースってなんだ?

簡単に言えば・・・

  • 公正な利用(Fair use)なら、著作権を気にしなくていい!

 

フェアユースとは、アメリカの著作権法第107条にある 「批評、解説、ニュース報道、教育、研究または調査等を目的とする著作権のある著作物のフェアユース(公正な利用)は、著作権の侵害とならない」 という規定のことです。

 

フェアユース (fair use) とは、アメリカ合衆国著作権法などが認める著作権侵害主張に対する抗弁事由の一つである。同国の著作権法107条 (合衆国法典第17編第107条17 U.S.C. § 107) によれば、著作権者の許諾なく著作物を利用しても、その利用が4つの判断基準のもとで公正な利用(フェアユース)に該当するものと評価されれば、その利用行為は著作権の侵害にあたらない。このことを「フェアユースの法理」とよぶことがある。フェアユースの大きな特徴の一つに、著作物が著作権者の許諾なしに利用できる場合(つまり、著作権が制限される場合)の規定の仕方については、限定的使用のための複製や引用、また裁判手続等における複製等(後述参照)のような具体的な類型を列挙する方法によるのではなく、抽象的な判断指針を示す方法によっていることがあげられる。

フェアユース - Wikipedia

 

著作権侵害の例外を個別に定めていくのではなく、包括的な指針を示すことで規制に縛られない創作活動等を可能にするもので、以下の 4つの要素 に基づいて裁判官が著作権侵害の有無を判断するものです。

 

1. 利用の目的及び性質

非営利や研究・教育における利用の場合はフェアユースが認められる

 

2. 著作物の性質

事実を伝える論文や地図の使用はポシティブな要素、芸術性のある小説等はネガティブな要素と評価される。


3. 著作物全体に対する利用された量及び重要性

使用量が少なく、著作物の主軸に触れていない場合フェアユースが認められることが多い。


4. 著作物の潜在的市場及び価値への影響

著作物の潜在的な市場に悪影響を与える場合、フェアユースが認められないことが多い。

 

フェアユースの成立過程に関しては今回言及しませんが、ざっくり言うとフェアユースとは、"公正な使用" であれば、著作者の許諾なしに著作物の利用を可能にする包括的な規定 と言うことができます。ただし自身の創作物をオリジナルのものに昇華していなければならず、当然ですが営利目的の単なるコピーでしかないものは、認められません。

重要なのは「変容性」の有無であり、オリジナルの著作物に何か価値が加えられているのかがフェアユースが認められる上で考慮される部分となっています。

 

(厳密な意味では、4つの要素の正しい解釈を含めてもっと複雑ですので、法律として正確に理解したい場合は各自で調べてください)

 

フェアユースを導入するメリット

ネットには現行法上では著作権侵害となり得るような行為が蔓延しています。私たちが気軽にシェアしたものが著作権を侵害している可能性も十二分にあります。知的財産権の意識が一般にも高まっている一方で、そういったリスクが新しいビジネスを阻害している部分があり、それを緩和するものとしてフェアユースが期待されています。

 

www.bengo4.com

 

上記の記事では、googleと日本の検索エンジンを事例として挙げています。検索エンジンはその性質上データベースを作成するために記事を丸々コピーする必要があり、それが著作権侵害という形で発展を阻害してしまった日本と、フェアユースとして現在の地位を築いたgoogleと言う形で著作権が新しいビジネスを阻害してしまったと例証することで、フェアユースの利点を説明しています。

 

日本では教育目的や引用という形での著作物の利用は認められていますが、googleの事例に見られるように、新しい問題に対して個別に例外として定めていく日本の手法は時間がかかりすぎてしまいます。そういった新しいビジネスモデルに対応できるといった点で、フェアユースが期待されているようです。

 

フェアユースのデメリットは?

フェアユースは新しいビジネスの展開や創作活動において有利な面はあるようですが、そのデメリットとは一体何なのでしょうか。

フェアユースについて語っている多くのネットの論評は、フェアユースを日本でも推し進めたい人たちによるものが私が調べた中では多かったです。そのためデメリットについて多くを語っている評は見受けられませんでした。

ただそういった中で明らかになったデメリットは、自分がこれはフェアユースになると考えて他人の著作物を利用していたとしても、訴訟のリスクが回避できないこと。さらにはフェアユースであるということを自身で証明し、最終的には裁判官の判断に委ねなければならないという点だと思います。

著作権の制限規定を緩く定めることは、結果として絶対の答えが存在しないということですので、個々の事例で他人の著作物を利用する創作者はよく考えなければならないのは間違いです。

 

ただ日本の現行の法規制でも結果としてグレーゾーンをうまく利用する者は多く、著作権を保有する者のさじ加減で見逃してもらっているという現状もあり、立法事実がないというところで議論が進んでいないようです。個人的には著作権に関する法の整備の必要性と同時に、日本でのフェアユースの成文化は難しいのではと感じています。

 

(参考)

「フェアユース」とはなにか 正しい利用許可は日本でも広まる? - ライブドアニュース

フェアユース - YouTube

著作権Q&A 1.著作権全般|日本著作権教育研究会

フェアユースとは? – ヘルプセンター

最終回 「フェアユース」がもたらす未来は何処に?:ネットだから気をつけたい! 著作権の基礎知識|gihyo.jp … 技術評論社

フェアユースを巡る議論 | kasiko[カシコ]